1-4. ブラームス/ピアノ協奏曲第2番 変ロ長調 Op.83
アルトゥール・ルービンシュタイン(ピアノ)
アンドレ・クリュイタンス(指揮)/トリノRAI交響楽団
録音:1962年5月4日、トリノRAIホール(ライヴ、モノラル)
5-7. シューマン/ピアノ協奏曲イ短調 Op.54
アルトゥール・ルービンシュタイン(ピアノ)
フランコ・カラッチオーロ(指揮)/ナポリRAIアレッサンドロ・スカルラッティ管弦楽団
録音:1964年4月29日(ライヴ、モノラル)
ARTS【ドイツ輸入盤】
これらのライヴ録音はいずれも劣悪音質の海賊盤CDで知られておりましたが、オリジナルテープの水準の高さとARTSレーベルのリマスタリングの成功が相まって高音質で復活しました。モノラルの表示がありますが、イタリア放送は比較的ステレオ録音導入が早かったので、当録音も十分ステレオ感があり、特にブラームスは元々はステレオ録音なのかも知れないと思えるほど鮮明な音質です。60年代前半というとルービンシュタインが気力体力充実していた時期で、イタリアという巨匠が愛する国土での演奏(4月末、5月上旬という良い季節に来訪しています!)故にリラックスした上に何しろ風格十分です。いずれも得意な曲であり、ブラームスは温かな演奏で特筆すべき共感を見せています。クリュイタンスがまことに典雅な伴奏を聴かせている点も注目です。シューマンもロマンティックな薫り高い名演と言えましょう。第1楽章のカデンツァは、ルービンシュタインの美点が極まった感あります。まさにロマンティシズムの使徒、ルービンシュタインの名演です。