ヤナーチェク/霧の中で、ピアノ・ソナタ 変ホ長調「1905年10月1日、街頭にて」、草蔭の小道を通って、スデンカ変奏曲、思い出
ヤン・イラスキー(ピアノ) 録音:2004年
チェコ放送ラジオサービス【チェコ輸入盤】
ヤナーチェク博物館所蔵、作曲家自身が愛奏した1876年ウィーンのエールバー[Ehrbar]製のピアノを使用した注目盤です。現代のピアノのような冷たい硬質な音とも全く違い、温かみのある柔らかいピアノの音で、ヤナーチェクの目指したピアノの響きとは本来このようなものであったかと目から鱗。演奏も極上で、郷愁を駆り立てる楽想が聴く者の心を優しく癒してくれます。中でもこれまでやや地味なイメージのあった「霧の中で」や「思い出」「ズデンカ変奏曲」などが、従来とは全く違う作品に聞こえるほど面目を改めています。資料としても貴重ながら、音楽的にもたいへん素晴らしいディスクです。ヤナーチェク・ファンはぜひお試し下さい。