1-13. 磯部周平／六重奏曲「きらきら星変装曲」
14-15. モーツァルト／山本安洋編／２つの行進曲ニ長調 K.335
《６人の奏者、５分間リサイタル》
16. Ｊ・Ｓ・バッハ／シシリアーノ（オーボエとピアノ）
17. 宮城道雄／春の海（フアゴットとピアノ）
18. ショパン／子守歌（ピアノ・ソロ）
19. ドビュッシー／シランクス（フルート・ソロ）
20. グリエール／夜想曲（ホルンとピアノ）
21. Ａ・Ｆ・Ｇ・バッハ／エレジー（クラリネットとピアノ）
22. ドビュッシー／磯部周平編／牧神の午後の前奏曲
ピアノと管楽五重奏団「織笛」（おるふえ）
神長良江(P)、一戸敦(Fl)、山本安洋(Ob)、磯部周平(Cl)、冨成裕一(Hr)、大滝雄久(Fg)
録音：1992年7月8-10日、埼玉県・田園ホール「エローラ」
ARTA【チェコ輸入盤】
NHK交響楽団の首席クラリネット奏者として、またザ・クラリネット・アンサンブルのメンバーとしてなど多彩な音楽活動をしている磯辺周平さんは、作曲やアレンジでも親しみやすい素晴らしい作品を作っています。その磯部さんの作品を、ピアノと管楽五重奏団「織笛」（おるふえ）が演奏した楽しいアルバムで、６人のプレイヤーによる自己紹介のような５分間リサイタルまで収録されています。
メインとなる磯部さんの六重奏曲「きらきら星変装曲」は、その名の通りお馴染みの旋律を主題を元に、様々な作曲家へのオマージュともいえるアイデアと機知に富んだ変奏が次々に現れる実に楽しい作品です。バッハ風の「三星のフーガ」やブラームス風の「指輪はお嫌い？」、ブリテン風の「もう１つのフーガ」など洒落の効いたタイトルもさることながら、個々の作曲家たちのお馴染みの旋律や書法がとても巧く取り入れられていて、音楽詳しい人ほどより楽しめるかも知れません。ドビュッシーの名曲「牧神の午後の前奏曲」の六重奏版のアレンジも原曲の味を全く損なっておらず、何より６人のプレイヤーの冴えた腕前のおかげで心地よいアンサンブルを楽しむことができます。５分間リサイタルの中では、ホルンによるグリエールの「夜想曲」が素晴らしい作品と演奏です。なお、磯部さんがクラリネットで演奏しているＡ・Ｆ・Ｇ・バッハのエレジーは、自作自演とのことです。
ちょっと入手しづらいチェコのマイナー・レーベルですが、ブックレットは日本語表記で作品の詳しい解説も付いています。
